王の最大の使命は世継ぎを残すこと。
特に血筋を大事にしていた朝鮮王朝では後継者争いの火種にもなっていました。
朝鮮王にはもちろん王妃や側室もいましたが、王宮内で働く女官たちはすべて「王の女」とされていました。
これは、王妃が男子を産めなければ側室が、側室が男子を産めなければ女官が・・・というように王の系統をつなげるためのリスクヘッジの役割も果たしていました。
王の世継ぎを産むことができた女性は絶大なる権力を持つことができるため、女同士の戦いも激化しましたが、実は誰が王と関係を結ぶかは王ですら決められなかったと言います。
このページでは朝鮮王朝での初夜のしきたりなど性作法についての解説をします。
朝鮮王朝の初夜は婚礼とワンセットの儀式になっていた
朝鮮王朝では王の夜の営みは国家行事として位置づけられていました。
王と王妃が結婚し、その後に迎える初夜も儀式として扱われました。
つまり婚礼行事に続き、初夜での性行為までもがワンセットの国家の儀式とされていたのです。
そこまでして王の夜の営みを重視していたわけです。
男性の僕からすると「今日はたたないかも」って日もあるから、儀式にされちゃうとつらいね
ちなみにですが、韓国では一昔前まで「新房(シンバン)」という習慣があって、新婚夫婦の初夜をみんなでのぞき見る、ということをしていたそうですが、これは朝鮮王朝時代の名残と言われています。
朝鮮王朝時代の王の性作法。床入りは高齢女官が決めていた?
朝鮮王朝時代の性作法の解説をします。
まず、王の夜の営みをする相手を決めるところから始まります。
これは主に占いによって決めていたそうですが、相手となる女性の「月のもの」の周期なども把握していたことでしょう。
王の性行為は世継ぎを残すための行動であって、王と言えども自由に相手を選んで快楽を得ていたわけではないのです。
なので相手となる女性も妊娠しやすいタイミングで相手をする、という決まりがあったそうです。
ですが、この時点から「未来の王の母」選びは始まっているので、権力を持った高齢女官が口を出すこともあったでしょう。
夜の営みには見張りの役をする「宿直尚宮」という女官が寝室の周りに待機しており、性行為がなされるかを把握します。
場合によっては「お体に障るのでそろそろおやめください」と声をかけることもあったそうな。
「明日の相手も決まっているので余力を残せ」ということかな
このように、朝鮮王の性行為は快楽とは無縁の義務として行われていました。
王妃と側室の関係
王妃と側室の関係も複雑でしょう。
多くは王妃が世継ぎの男子を産めなかった場合に備えて側室がいました。
王・王妃が中高年で側室は10代ということも珍しくなく、若く美しい側室に嫉妬の炎を燃やす王妃も珍しくありません。
側室の子が王座を継ぐ場合、王妃は王宮内に居場所がなくなって幽閉状態になったり、側室の子を王妃の養子にして身分を高めるなどいろいろ複雑になります。
例えばイサンでは正室のヒョイ王妃に世継ぎができなかったので、側室の子を王妃の養子にしてます。
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王宮内の女の戦いはたびたび韓国時代劇でもテーマになりますね。
朝鮮王朝の初夜のまとめ
朝鮮王朝時代の初夜についてまとめました。
- 朝鮮王の初夜は婚礼儀式とワンセットで行われる
- 王の性行為は世継ぎを残すための義務であって快楽を得るためではない
- 王の性交相手は占い師や女官が決めていた
- 王妃が世継ぎを産めなかった場合は側室に産ませていた
以上、朝鮮王朝時代の初夜についての解説でした。
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