このページでは高麗第4代王光宗(クァンジョン)の死因を解説します。
大人気韓流ドラマ「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~」に主人公として登場する光宗(クァンジョン)ですが、ドラマ内で死因まで語られていないんですよね。
改革を断行した王であり、粛清の多かった「暴君」でもある光宗について、この記事で理解を深めてください。
高麗光宗の死因とは?
光宗は975年7月4日に病死しています。
51歳でした。
病の発覚からわずか数日での急死と伝えられています。
死因は「病死」としか伝えられていないのでどんな病気が死因だったかは不明です。
虫歯や食中毒の可能性もあるとされています。
医療が発展した現代でも虫歯や歯周病の菌が血流にのって全身にまわると危険とされているし、食中毒だとしたら毒を盛られた可能性もありますね。
改革の断行や粛清などの理由により、反対勢力も多かったので死因については憶測の余地がありそうです。
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光宗の人物像
この項では人物としての光宗について下記の内容を解説します。
- 本名は王昭(ワンソ)
- 光宗のきょうだいは34人
- 王妃と側室
- 光宗の子供
実在の人物としての光宗を直に感じてください。
本名は王昭(ワンソ)
光宗の本名は王昭(ワンソ)と言います。
生没年は925~975で日本では平安時代中期のあたりです。
979年に即位して高麗王朝の第4代王光宗となりました。
高麗初代王の王建(ワンゴン)の4男になります。
4男の光宗が第4代王という覚えやすい偶然ですね。
光宗のきょうだいは34人
光宗の父王建(ワンゴン)は妻が6人、王子が25人、王女が9人いました。
つまり光宗は34人きょうだいの中の第4王子となります。
この当時は近親婚も多く家系図は非常に複雑になります。
光宗自身も異母妹を妃としており、現代の感覚とはかけ離れていますね。
この34人きょうだいの中で幼くして亡くなった人も多く、生まれた年が正確に記録されているのも第4王子である光宗までできょうだいの生まれた順序も定かでない状態です。
ここでは省略して王となった人やドラマの登場人物などを抜粋して紹介します。
第一王子 | 王武(ワンム) | 第2代高麗王の恵宗。娘が光宗の側室になる |
第三王子 | 王堯(ワンヨ) | 第3代高麗王の定宗 |
第八王子 | 王旭(ワンウク) | 第6代高麗王成宗の父で死後に「戴宗」の廟号が贈られた |
第13王子 | 王郁(ワンウク) | ドラマ「麗」に登場するペガのモデル。 第8代高麗王の顕宗の父で死後に「安宗」の廟号が贈られた |
異母妹 | 大穆王后 皇甫(ファンボ)氏 | ドラマ「麗」に登場するファンボ・ヨナのモデルとなった人物。 異母兄である光宗と結婚する。息子に第5代高麗王の景宗がいる |
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王妃と側室
光宗は王妃の他に2人の側室がいました。
- 王妃:大穆王后 皇甫(ファンボ)氏。初代高麗王太祖と神静王后 皇甫氏の娘。光宗とは異母兄妹
- 側室:慶和宮夫人 林氏。第2代高麗王恵宗の娘で光宗の姪。弟が光宗に粛清されて自害
- 側室:宜慧貴妃 大氏。渤海国王族出身。ドラマ「輝くか、狂うか」のシンユルのモデル
光宗の子供
光宗には5人の子供がいました。
いずれも王妃である大穆王后 皇甫(ファンボ)氏との子供です。
- 景宗:後の第5代国王。第7代国王穆宗の父。
- 孝和太子:早世
- 千秋公主:ドラマ「千秋太后」の主人公
- 寶華公主
- 文徳王后:第6代国王成宗の正妃(第7代国王穆宗の正妃宣正王后劉氏の母)
光宗の功績と時代背景
ここからは光宗の功績を時代背景とともにざっくりと紹介します。
- 奴婢按検法を宣布して奴隷解放と王権強化
- 科挙制度を開始して人材の登用
- 寺院の建築を進めて仏教を広める
- 兄弟や妃であっても容赦なく粛清
光宗の功績や時代背景に関しては上記の通りです。
ここからそれぞれの内容について詳しく解説していきます。
奴婢按検法を宣布して奴隷解放と王権強化
光宗の政治功績として代表的といえるのはこの「奴婢按検法(956年)」でしょう。
この奴婢按検法により、奴隷解放と王権強化を実現しました。
奴婢(ぬひ)とは当時の奴隷のことで、奴隷解放宣言のようなものですね。
奴隷解放宣言との違いは豪族の弱体化と王権強化という思惑があってのこと。
この当時、高麗は建国してまだ日が浅く、建国時に活躍した豪族が権力を振るっていたので王権は弱い状態でした。
光宗は豪族の強さは奴婢にあるとにらみ、その力をそぐために奴婢を開放するとして豪族から奪い取りました。
この当時の奴婢は豪族の所有物として扱われ、平時では小作農として畑を耕して豪族に小作料を払い、戦争が起こると豪族の私兵として動員されていました。
つまり経済的にも武力としても奴婢が豪族の強さの基盤でした。
解放の方法としては奴婢の出自を調査して借金や戦争の捕虜として奴婢になった者(元々は奴婢の身分でない者)をもとの身分に復活させるというものでした。
豪族たちがこれに対して猛反発したことは容易に想像できますね。
解放された奴婢たちはこれまで豪族に支払っていた小作料を国の税金として払うことになるので税収が安定する効果もありました。
科挙制度を開始して人材の登用
光宗は科挙制度の採用によって有能な人材の登用と豪族の影響力を排除しました。
奴婢按検法の開始から2年後のことです。
科挙とは唐の制度で役人を試験によって採用するものです。
現代でいうところの公務員採用試験みたいなものですね。
それまでの高麗では豪族が重要な役人の地位を占めていたので、王といえども豪族の意見を無視できませんでした。
これを試験制度にしたことによって豪族を政治の場から締め出す、有能な人材を採用するという二つのメリットを得たのです。
奴婢按検法により既に弱体化していた豪族はさらなるダメージを受けることとなります。
また、奴婢按検法への反発によって政治から距離を置いていた豪族の穴を埋めることにもなり、以降は豪族の影響力を気にしなくてよくなります。
奴婢按検法と科挙制度の採用によって光宗の王権はさらに強くなっていきます。
寺院の建築を進めて仏教を広める
光宗は国民生活の安定や求心力を得る手段として仏教の普及を進めました。
光宗自身も信心深く、僧侶を顧問として迎えて政務に参加させることもありました。
光宗の父であり高麗初代王の王建の遺言でも仏教の普及が教訓とされていたことも理由の一つです。
日本もこの当時は平安時代で仏教が普及していた時代になります。
兄弟や妃であっても容赦なく粛清
光宗は前述した改革などにより反対勢力を多く作ることとなりました。
初めのうちは豪族に対抗する改革でしたが豪族の中には王族と婚姻関係を持つ者も多くいたため、次第に王族内にも光宗に反対する者も出てきます。
これら反対勢力を待っていたのは容赦のない粛清です。
粛清の犠牲者の中には光宗の兄弟や妃なども含まれています。
ドラマでは「ワンソ」として登場
ドラマの登場人物としての光宗について解説します。
「輝くか、狂うか」ではチャン・ヒョクが演じています。
「輝くか、狂うか」はワンソが王位につくまでの話がメインなのでこのページで紹介している内容は含まれていません。
ドラマタイトルの「輝くか、狂うか」は名君としての功績と粛清の多かった暴君との二つの面に着目した素晴らしいタイトルになっています。
麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~ではイ・ジュンギが演じています。
中国のラブストーリー四大女王トン・ホァのベストセラー小説「步步驚心」が原作となっています。
話の展開としては現代から高麗時代へタイムスリップして王様と恋に落ちる「フュージョン時代劇」。
ドラマ内ではたくさんの兄弟が登場しますが、前項で紹介した人以外は架空の人物になります。
高麗光宗に関するQ&A
ここからは高麗第4代王光宗についてQ&A方式でさらに詳しく解説していきましょう。
- Q・高麗王光宗は顔に傷があった?
- Q・高麗光宗の肖像画はある?
- Q・ワンソとヨナの子供は?
光宗に関してよくあるこれらの質問に答えます。
Q・高麗王光宗は顔に傷があった?
A・高麗王光宗の顔に傷があったという記録はありません。
ドラマの「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~」内でのフィクションです。
Q・高麗光宗の肖像画はある?
A・高麗光宗の肖像画は残されていません。
先ほどの顔の傷の話同様にドラマの「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~」のために用意されたものです。
Q・ワンソとヨナの子供は?
A・史実ではワンソ(光宗)とヨナのモデルとなった大穆王后皇甫氏の間には5人の子供がいます。
- 景宗:後の第5代国王。第7代国王穆宗の父。
- 孝和太子:早世
- 千秋公主:ドラマ「千秋太后」の主人公
- 寶華公主
- 文徳王后:第6代国王成宗の正妃(第7代国王穆宗の正妃宣正王后劉氏の母)
この5人がワンソとヨナの子供です。
まとめ:高麗光宗の死因は病気という説が有力
この記事では高麗の第4代王光宗の死因についての解説でした。
まとめとして、
- 高麗光宗の死因は病気という説が有力
- どんな病気だったかは詳細は不明
- 虫歯や食中毒が原因だったとの説もある
もし食中毒が原因だとすれば毒を盛られた可能性も否定できないかも・・・
兄弟であっても粛清をするほどの非情な王でしたから恨みを持つ者もいたことでしょう。
この辺が歴史考察の醍醐味といえますね。
以上、高麗の第4代王光宗の死因についての解説でした。
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