善徳女王で人気者だったピダムですが、最後のシーンで「トンマンまであと○○歩」と迫っていった理由が分からないという話がよくあります。
最後の最後でピダムは何がしたかったのでしょうか。
なぜトンマンとの仲は引き裂かれて、とても悲しい結末を迎えてしまうのでしょうか。
反乱の首謀者として討伐命令が出され、ピダムの乱を起こした目的は。
この辺を解説するページです。
最後のピダムの気持ちを知りたい方は続きをどうぞ。
ピダムの乱のきっかけは
事の発端は木箱を載せた大きな船が流れ着くシーンですね。
この木箱の中には「アショカ王からの手紙」と仏像の材料や設計図が入っていたのです。
「アショカ王からの手紙」には極楽浄土の仏の名を持つ者を王にせよとか書いてあり、漢字の組み合わせで「ピダムが王にふさわしい」と解釈されるのです。
この「アショカ王からの手紙」はミセンが用意したもので、ようするにピダムを王に担ぎ上げようとしたわけです。
これをきっかけに「女王では国を治められない」といった話が神国で持ち上がります。
真相を調査しようとしたチュンチュが命を狙われたり。
この「アショカ王からの手紙」の一件をきっかけにピダムがいる限り国は安定しないので排除するべき、という話になってしまうんですね。
最後までピダムを信じ続けたトンマンと策士ヨムジョン最後の陰謀
トンマンだけは最後までピダムを信じ続けていたんです。
これも悲しい事実。
ユシンに対し「人を得ることは天下を手にするより難しい。だが、人を得るよりずっと難しいのは人を捨てることだ」とミシル顔負けの名言を言ったり。
ほとぼりが冷めるまでピダムをソラボルから離れさせるが、ここで策士ヨムジョンの陰謀が炸裂!
ピダムは騒動の責任を一人で背負い、自分で決着をつけようとするんです。
まず自分を陥れ続けたヨムジョンを始末しようとするんですが、ヨムジョンはこうなることを読んでいたんですよね。
侍衛府(シウィブ)の者を買収して毒矢で狙わせたんです。
侍衛府(シウィブ)とは女王の護衛などを任されているアルチョンの配下のことです。
この毒矢は見事なアクションでかわして返り討ちにするんですが、相手が侍衛府の人間と気づきます。
侍衛府ってことは女王が放った刺客か・・・、と疑心暗鬼になるわけです。
「こいつは侍衛府の人間だ~」とわざとらしいヨムジョンのセリフがイラっときます。
すれ違うトンマンとピダム
ヨムジョンの罠にはまりすっかりトンマンを疑ってしまったピダム。
ついにトンマンを倒して自分が王になることを決意してしまいます。
こうしてピダムの乱は始まっていくのです。
トンマンは「自分を信じて待て」という内容の手紙をしたため、チュクパンに託します。
こういう時こそ頼りになるチュクパンの兄貴ですが、この時ばかりは間に合わずピダムのもとに手紙が着いたのはトンマンを廃位させて自分が王になるという檄文を送りつけた後だったのです。
時すでに遅し。
最後の望みとして送った手紙が間に合いませんでした。
さらにピダムからの檄文にはトンマンとの契りの指輪も一緒に入っていました。
指輪まで送り付けるとは・・・
この指輪を見たトンマンは「王位から退いてピダムと静かに暮らしたかった」とユシンに叶わぬ希望を語ります。
とても悲しいシーンですが、これを聞かせるということはトンマンの本命はやはりユシンではなくピダムだったんですね。
しかし、女としてのトンマンはここまで。
ピダムの決意を察し、女王としてこちらも決意をせねばとのトンマン。
ピダムを政変を導いた神国の敵として宣言し、討伐の命令を下します。
ですが、直接対決を前にし、トンマンは倒れてしまいます。
ピダム討伐の軍はユシンが率いることになります。
愛を知らずに育ったゆえに悲しい最期を迎えるピダム
神国とトンマンを守るユシン、王座とともにトンマンも手に入れようとするピダム。
ユシン軍の強さに旗色が悪く、ピダムの軍は次第に押されていきます。
そこへサンタクが現れます。
サンタクから全てはヨムジョンの陰謀だったと聞かされ怒りが爆発するピダムはヨムジョンを問い詰めます。
「親から捨てられ、師に育てられるも師からの愛情はもらえず。だから人の愛を信じられない。捨てられることにいつも怯えながら人と接している。そんなお前がトンマンを手にしたところで、いつかは権力を求めトンマンを裏切るであろう。」とヨムジョンはピダムを罵った。
ムカつくけど本当のことですね。
そしてヨムジョンから「トンマンは最後までピダムを信じた」と告げられた時にピダムは精神が崩壊状態に。
ヨムジョンを手にかけ、最終決戦へと赴きます。
愛を知らずに育ったゆえに人を信じる、愛し愛されることができないがために、トンマンを最後まで信じられなかったピダムの悲しい最後のシーンが始まります。
ピダムが「トンマンまであと○○歩」と迫った理由は名前を呼びたかった
「トンマンに言わなければならないことがある」と言いながらトンマンに迫るピダム。
見事なアクションで矢をかわしつつ、刀を振りながら前に進みます。
トンマンまで70歩
トンマンまで30歩
徐々に矢を体に受け、傷も増えていくピダム。
トンマンまで10歩
ここでついにユシンがピダムの歩みを止めます。
「トンマン、トンマナ・・・」とつぶやきながらピダムは絶命します。
ピダムはトンマンの名前を呼びたかったのです。
女王ではなく、一人の人間としての、一人の女性としての、「トンマン」という名前を。
ピダムが名前を呼んでいた、という事実は後日ユシンの口からトンマンに伝えられるのですが。
「トンマナ」とはトンマンを親しく呼ぶ言い方です。
最後の文字に母音のアを付けるのは同等以下の立場の相手に対する愛称とかあだ名みたいなニュアンスなんです。
【関連記事:韓国語の名前の呼び方。年下や友達、年上への敬称など】
この辺からもピダムが最後にトンマンの名前を読んであげたいという気持ちが伝わってきますね。
ピダムの最期のまとめ:ピダムはトンマンの名前を呼びたかった
ピダムが最後にしたかったこと、それはトンマンの名前を呼ぶことでした。
女王ではなく、一人の人間としての、一人の女性としての、「トンマン」という名前を。
これが「トンマンまであと○○歩」と言いながら突き進んだ理由です。
史実でも「ピダムの乱」というものは存在し、このピダムの乱のさなかに善徳女王は崩御しています。
647年のことでした。
史実では善徳女王の次の王も真徳女王という女王だったんですよ。
「女王では国を治められない」としてピダムを擁立した訳なんですが皮肉な感じですね。
以上、善徳女王のピダムの最期のシーンの解説でした。
コメント