韓国時代劇が人気になったことで韓国の歴史に興味を持つ方が増えています。
このページではドラマ「イ・サン」で登場した側室のウォンビンについて解説します。
イサンのウォンビンは、韓国ドラマで描かれた実在の側室です。
史実のウォンビンはドラマでの描かれ方とは違い、さほど悪女でもなく兄のホングギョンに振り回された悲劇の女性ともいえます。
続きをどうぞ。
「イ・サン」に登場するウォンビンは実在した側室
韓国ドラマ「イ・サン」に登場するウォンビンは、実在した側室です。
史実では元嬪・洪氏(ウォンビン・ホンシ)という名で記録されています。
ここでの元嬪(ウォンビン)とは側室としての位です。
側室の位に関しては関連記事:朝鮮王朝の側室の階級とは。トンイはどの階級だった?で詳しく解説しています。
洪氏(ホンシ)というのは名字が「ホン」だからで、ホングギョンの妹だから名字がホン、というわけです。
ウォンビンの人物像:史実では12~3歳の少女だった
史実のウォンビンは、12歳で側室となり、13歳で亡くなっています。
ドラマのキャストは大人の女性でしたが、史実では12~3歳の少女だったわけです。
側室となってわずか1年で命を落とすとは悲しいですね。
体が弱かったという記録が残っています。
イサンと正室の間に子供ができなかったので、側室のウォンビンには世継ぎを産む役割を期待されていたのですがそれがプレッシャーになったということでしょうか。
ドラマではウォンビンはイサンの寵愛を受けられなかったと描かれていますが、実際には幼すぎて相手にされなかったのかと推測されます。
ウォンビンの家族:恵慶宮(ヘギョングン)と親戚
ウォンビンは、イサンの右腕のホングギョンの妹です。
さらに、イサンの母である恵慶宮(ヘギョングン)と親戚だったのです。
ウォンビンの家系は14代王・宣祖(ソンジョ)の娘、貞明(チョンミョン)公主(コンジュ)の夫の直系子孫でした。
貞明公主は韓国時代劇『華政(ファジョン)』の主人公になった女性で、広大な土地を所有していたため「朝鮮王朝史上最も裕福だった王女」と言われています。
イサンの母、恵慶宮(ヘギョングン)も貞明公主の血を引いているので2人は親戚関係というわけです。
ウォンビンはスピード出世、いきなり最高位の側室に
元嬪(ウォンビン)とは名前ではなく、側室としての位です。
嬪(ピン)とは側室としては最高位で通常はいきなりはなれません。
側室にも8段階の位があり、徐々に上り詰めていくものです。
世継ぎを産むなどの貢献がないと嬪(ピン)にはなれないのですが、ウォンビンはいきなり最高位になってしまいます。
これは兄であるホングギョンの力と、イサンの母である恵慶宮(ヘギョングン)と親戚という家柄によるものでしょう。
12歳というまだ子供を産むには早い年齢から側室となり、世継ぎを産む使命を持っているとは酷な人生と言えるでしょう。
イサンの甥をウォンビンに養子にしたのはなぜ?
ドラマ内ではイサンの甥をウォンビンに養子にします。
この理由は、兄・ホングギョンの王宮内での地位を高めるために必要だったからです。
イサンには子供がおらず、そのままこの世を去れば王位継承者が不在となります。
これでは王としての最大の役割である「王位を継承していくこと」が未達成になります。
側室であるウォンビンに子供(養子)がいれば、その子が次の王となる。
さらに、ホングギョンは「王の叔父」になることができるため、さらに権力が増大する。
それを狙っての養子縁組でした。
実際にはその後に、別の側室が世継ぎを産んだため、この計画は失敗に終わったのですが。
ウォンビンのキャスト
ウォンビンのキャストはチ・ソンウォンです。
現在は本名の「ファン・グミ」という名で活動しているようです。
イサンの他にはヨンゲゾムンやチャミョンゴなどの時代劇に出演されています。
以上、イサンのウォンビンについて解説しました。
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