今回は韓国時代劇におけるかんざしの意味や、ドラマの中での役割などを紹介します。
かんざしの意味は「結婚」のしるし
韓国時代劇には、大きなかんざしを髪の毛につけている女性が多く登場します。
実は、朝鮮時代、未婚の女性は髪の毛をおさげにし、既婚の女性は髪の毛を結んでかんざしをつける、という習わしがあったようです。
つまり、かんざしをつけている女性、イコール結婚している女性ということだったんですね。
身分によって身に着けられるかんざしが異なっており、一般女性は木や角でできたかんざしを、高貴な女性は金などで出来たかんざしをつけていました。
「太陽を抱く月」には2つのかんざしが登場する
大ヒットしたファンタジー時代劇「太陽を抱く月」を見ていると、大事なシーンで「かんざし」が登場します。
「太陽を抱く月」で実際に使われたかんざしも、本物の金と真珠で作られたかなり高価なかんざしだったようです。
王フォンが、愛するヨヌにかんざしを贈るシーンがドラマで2度登場します。
1つ目は、ヨヌが亡くなる前に、フォンが見舞うシーンで登場します。
「私の妃はお前だけだ」と言いながら、「太陽を抱く月」と名付けられたかんざしをヨヌに贈ります。
そのかんざしを胸に抱いて、ヨヌは永遠の眠りにつくのでした。
2つ目は、1つ目のかんざしの対として作られたかんざしです。
フォンは元々2つともヨヌに渡すつもりで、一対のかんざしを用意していました。
2人が再会し、ヨヌが生きていたことを知ったフォンが、8年前に渡したかんざしと対になるかんざしをヨヌに渡します。
ヨヌの死後、フォンが持っていた1つ目のかんざしも取り出し、2つのかんざしを目の前に「これでやっと2つが一緒になれた」というのでした。
かんざしは、「王の妻である」ことの証であり、ドラマの中でキーとなる役割を果たしました。
「太陽を抱く月」でフォンが贈ったかんざしは鳳簪(ポンジャム)
韓国ドラマでは「龍」をモチーフとした「龍簪(ヨムジャム)」と言われるかんざしが出てくることが多いですが、「太陽を抱く月」でフォンが贈ったかんざしは「鳳簪(ポンジャム)」と言われる鳳凰をモチーフにしたかんざしでした。
一体なぜでしょうか。
通常、王の妻など王家に関わる妻は「龍簪(ヨムジャム)」をつけるのが一般的と言われています。
鳳凰は雄と雌のつがいの鳥です。
おそらく、「つがい」という意味を込めて、フォンはあえて「鳳簪(ポンジャム)」を贈ったのではないでしょうか。
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