このページでは韓国語での人の名前の呼び方を解説します。
韓国語で人の名前を呼ぶときには日本語のようにいわゆる「呼び捨て」にすることはほとんどありません。
名前の後に아(ア)、야(ヤ)、씨(シ)などの言葉が付きます。
どの言葉を付けるかは名前のつづりや上下関係などによって変わるので初心者の方には難しいものです。
呼び方を間違えると非常に失礼になるので注意が必要です。
このページの内容が分かっていれば初対面の方とのトラブルは回避できます。
名前の後ろにつける言葉をしっかり身につけましょう。
韓国語の年下や友達の呼び方
韓国語で名前の後につける言葉はいくつかありますが、まずはあなたと友達だったり立場が同等か相手が年下や目下(タメグチを使っていい相手)に呼びかける場合につける言葉を紹介します。
呼ぶ相手の名前 | 名前の後ろにつける言葉 |
---|---|
相手の名前の最後にパッチムがある場合 | 아(ア) |
相手の名前の最後にパッチムがない場合 | 야(ヤ) |
相手の名前の最後にパッチムがあるかないかで上記のように変わります。
つまり相手の名前のつづりがわかっていないと呼べないってことですね。
相手の名前の最後にパッチムがある場合は名前の後に아(ア)を付ける
パッチムがある場合は連音化で発音します。
韓流ドラマなどの韓国のテレビを見ていてこんな経験はないでしょうか。
セリフでは「ソジュナ」と言っているのに字幕では「ソジュン」となっている。
この例では呼ばれている相手のソジュンさんの名前が서준なので、名前の最後の文字の준についているパッチムのㄴと아が連音化して나(ナ)の発音になったということです。
서준に아をつけて→서준아(ソジュナ)
아は母音のアの音なのでパッチムにアの音を付けた発音になるのです。
【パッチムや連音化が分からないという方は参考記事の韓国語のパッチムの意味と一覧を読んで下さい】
韓国人の名前をいくつか例にします。
名前 | 아(ア)を付けた呼び方 |
---|---|
テヨン | テヨナ |
ポゴム | ポゴマ |
ジフン | ジフナ |
(全て母音の「ア」で終わっています)
パッチムがㅇの場合だけは例外です。
これは音だけ聞いていると「ン」と聞こえますがアルファベットで表現すると「~ng」の発音をしています。
ㄴは普通に「ン」ですが、ㅇは口を開けて「~ng」です。
のどの奥のほうから音を出します。
違いに注意しましょう。
この場合は아を付けると「ナ」ではなくgと아が連音化して「ガ」のような発音になります。
例えば「ホン・ギルドン」ではギルドンが「ギルドンガ」と呼ばれていました。
人によっては「○○~ンニャ」のように発音している人もいます。
相手の名前の最後にパッチムがない場合は名前の後に야(ヤ)を付ける
名前の最後にパッチムがない場合はそのまま야(ヤ)をつけます。(特に注意点はありません)
名前 | 야(ヤ)を付けた呼び方 |
---|---|
トンイ | トンイヤ |
ジス | ジスヤ |
ヨナ | ヨナヤ |
このように相手が友達だったり年下や目下の場合は下の名前だけで呼びます。
日本語でいうところの「ちゃん・君」を付ける呼び方に相当します。
ここまでは相手が目上ではない場合の呼び方です。
年上(目上)の人を呼ぶ場合はフルネーム+씨(シ)で「○○さん」
相手が年上や目上の場合はこういった呼び方はせずにパッチムの有無にかかわらず씨(シ)をつけます。
実際には相手が目上ではなくてもあまり親しくない相手や初対面の場合はこちらを使います。
この씨(シ)は日本語の「~さん」のような使い方をします。
テレビの字幕でも「○○さん」と出てくるはずです。
相手が年上や目上の場合はフルネームに씨(シ)をつけて呼ぶのが基本です。
「フルネームに씨(シ)」ですよ(重要なので二回書いた)
日本語のように名字に씨(シ)をつけて呼ぶことはありません。
これは文化的な要因のほかに同じ苗字の人が多いという理由もあります。
韓国人の名前はキム・パク・イ・チェが多く、ソウルの街中でこの名字だけで呼ぶとたくさんの人が振り返ることになります。
役職(「キム部長」、「パク先生」など)で呼ぶ場合は名字に役職名だけでもOKです。
目上でかつ親しい人の場合は下の名前に씨(シ)をつけます。
韓国語の初心者の方はフルネーム+씨(シ)を使うのが無難です。
님(ニム)は○○様の敬称
目上の人に対して付ける敬称で님(ニム)は「○○様」という意味です。
この場合もフルネーム+님(ニム)と呼びます。
님(ニム)は名前以外にも下記のように役職名にも様を付けます。
ハングル表記 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
사장님 | サジャンニム | 社長様 |
점장님 | チョムジャンニム | 店長様 |
선생님 | ソンセンニム | 先生様 |
ちなみにですが、知らない人に声をかけるときに「선생님(ソンセンニム)」と声掛けすることがあります。
これは日本語に訳すと「そちら様」みたいな意味になり、失礼のない声のかけ方なので覚えておきましょう。
韓国語ではフルネームで呼び捨てはかなり失礼
例えば相手が目下の場合はフルネームで呼ぶと口調によっては怒っていると受け取られます。
親が子を叱るときはフルネームで呼ぶからです。
こういった場合は名前の後には何もつけず、呼び捨てにします。
家族間でフルネームで呼ぶのは日本人の感覚では違和感もありますが韓国では夫婦別性であり、子は父親の名字がつくので家族の中でお母さんだけが名字が違うというのが原因の一つです。
(父親が子を叱るときもフルネームで呼びます)
なのでフルネームで呼び捨てはかなり失礼です。
相手によっては「そんな呼び方をしていいのは親だけだ!」という反応が返ってきます。
야(ヤ)は「コラ!」という意味にも使う
야(ヤ)は名前の後につける言葉として紹介しましたがこれを「야(ヤ)!」と強い口調で言うと「コラ!」というニュアンスです。
親が子を叱るときも「야(ヤ)!」といいます。
なので야(ヤ)を名前の前につけてしまうと「コラ!○○」と怒っている印象を与えて男性同士では最悪の場合はケンカとなります。
名前に이(イ)をつける場合
名前を呼びかけではなく例えば街で見かけた場合(あ、○○だ。など)は名前に이をつけます。
例えばテプン→テプニ(パッチムが連音化します)
これは이が「~である」という意味の指定詞という用法なのでこの意味になります。
この이には「~が」という意味もあるので例えば会話の中で「メンバーの○○が・・・」という場合にも名前の後に이をつけます。
ここまでくると名前の呼び方というよりは通常の文法の解説になりますね。
韓国語の名前の呼び方のまとめ
このページでは韓国語での名前の呼び方を解説しました。
韓国語の名前の呼び方の注意点をまとめます。
- 相手が友達や年下の場合
- 相手の名前の最後にパッチムがある場合:아(ア)を付ける
- 相手の名前の最後にパッチムがない場合:야(ヤ)を付ける
- 相手が友達や年下の場合はフルネームではなく下の名前で呼ぶ
- 야(ヤ)は名前の後につける、前にはつけない
- 相手が目上の場合はフルネームに씨(シ)または님(ニム)を付ける
- 役職がわかっている場合は名字に役職名で呼ぶ
韓国語では人の名前を呼ぶ場合には名前のつづりや上下関係などで呼び方が変わるので注意が必要です。
韓国語では名前を呼び捨てにすることは例外的で아、야、씨、이などを後ろにつけるのが基本と覚えましょう。
最後に相手に名前を訪ねる場合の例文を勉強しましょう。
日本語の意味 | 韓国語 |
---|---|
お名前は何とおっしゃいますか? | 성함이 어떻게 되십니까? (ソンアミ オットケ トゥシムニカ?) |
名前で呼び合うようになれば仲良くなれます。
韓国人の友達を作ることもできるはずです。
頑張りましょう。
以上、韓国語の名前の呼び方でした。
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