このページではドラマ善徳女王における中盤での最大の謎である「サダハムの梅」について、その正体となぜミシルの権力の源となったのかについて解説します。
サダハムの梅の正体は夫である世宗ですら知らせておらず、ミシルにとってはまさに切り札だったのです。
なぜこんなに重要だったのか。
また、なぜ「梅」だったのか?
続きをどうぞ。
サダハムの梅とは暦のこと
「サダハムの梅」・・・トンマン達は、ムンノの書状からその言葉を見つけ、その正体を探ります。
ムンノは王から調査を依頼されていたのです。
それはミシルの側近であり、情夫のソルウォン公ですら知らないのです。
実は「サダハムの梅」とは、伽耶の暦本のこと。
サダハムとは、ミシルの初恋の人です。
しかしサダハムが大伽耶との戦に出ている間に、ミシルは世宗と結婚してしまったのです。
それでも想いを断ち切れないサダハムが、ミシルに送ったのが伽耶の暦本と梅の花。
この後ほどなくサダハムは友の後を追って死んでしまいます。
これが、暦本が「サダハムの梅」と呼ばれる所以です。
この暦本は、サダハムが真興王を裏切ってまでミシルに送ったもの。
「あの人だけは私に見返りを求めず与えるばかりだった。」とミシルが懐古する通り、まさにサダハムのミシルへの愛の証でした。
ちなみに、なぜ梅の木かというと、サダハムは冬栢梅徒の花郎だったからです。
梅はサダハムの象徴だったんですね。
「サダハムの梅」はなぜミシルの権力の源だったのか?
当時の暦とは、天体の動きや天候の移り変わり、あらゆる自然現象を網羅したものでした。
日食・月食・自然災害までも予測できる、当時の最先端科学の結晶であったと言えるでしょう。
普通の人々が知りえない暦の情報を掌握することは、すなわち権力を掌握するということに他ならなかったのです。
ミシルはその情報を利用し、シャーマン的な力を発揮し、あたかも月食を引き起こしたり災害を言い当てたかのようにすることで、その絶対的権力をわがものにしていたのでした。
もともと「サダハムの梅」と呼ばれているのは伽耶の暦ですが、14話あたりで商人から渡ってきた「サダハムの梅」は中国の大明暦のことのようです。
大明暦とは、当時もっとも正確と言われていた暦だったようです。
大明暦を伽耶の暦を合わせて修正することで新羅の暦として、より正確に把握することができるためミシルが金に糸目をつけず買い取ったのでした。
サダハムは実在していた!
ミシルの恋人として登場するサダハム(斯多含)ですが、なんと実在していたそうです。
サダハムは、三国史記の中にその名があります。
新羅第17代王奈勿尼師今の7世孫にあたり、547年に生まれました。
身分が高かったことから、花郎に所属していました。
562年、大伽耶との戦いに出陣し、若干15.6歳でありながら副将をつとめました。
普通この年齢では戦に参加しないのですが、サダハムは真興王に頼み特別に許されたのだそう。
それで副将として参戦とはすごいですよね。
この戦いで新羅は大伽耶に勝利し、サダハムは伽耶人の捕虜300人を王からもらったそうですが、これを奴婢にはせず解放したとか。
ドラマ中、ウォルチョン大師が「サダハムに助けられた。」と語るシーンがありますが、こうしたエピソードから考え出された人柄なのかもしれませんね。
サダハムは17歳でその短い生涯を閉じました。
コメント
[…] この辺の話は善徳女王のサダハムの梅の正体は暦。なぜ暦が梅なのかにも書いています。 […]