トンイは韓国時代劇で常に人気ランキング上位に入る安定の人気と面白さです。
中でも主人公のトンイの元気さ、かわいらしさ、努力する姿はすごく好感が持てますね。
トンイに関しては
- トンイって実在した人なの?
- トンイって本名?
- 賤民から王の母ってシンデレラ過ぎない?
等の疑問の声も上がっています。
このページでは人物としてのトンイについて、史実ではどうだったかを解説します。
結論を一言でザックリいうと、トンイは実在した人物だけど名前はフィクション。
詳しくは続きをどうぞ。
関連記事:トンイの無料動画が見れるのはyoutubeだけじゃない。日本語字幕で全話見れる方法
トンイのモデルは実在した淑嬪崔氏(スクピンチェシ)
トンイのモデルは、実在の人物である淑嬪崔氏(スクピンチェシ)と言われています。
1670年に生まれ、1718年に没しています。 (日本でいうと江戸時代4代将軍家綱から8代将軍吉宗のころ)
淑嬪崔氏のお墓が韓国の京畿道坡州市の昭寧園にあるので実在した人物であることは間違いありません。
ドラマ内では秘密結社剣契(コムゲ)の首領の娘で、父や兄の冤罪を晴らすため、名前を偽って掌楽院(チャンアゴン)の奴婢(ヌヒ)として宮廷に入り、王様と会う。
となっていますが、実際は側室になる前の記録はほとんど残っていないそうです。
淑嬪崔氏の名前を解剖すると
- 淑嬪(スクピン):側室としての地位
- 崔氏(チェシ):人物名と敬称
となります。
ザックリいうと側室の「淑嬪(スクピン)」という地位にいた崔(チェ)さん、となります。
側室の「淑嬪(スクピン」 に関して参考記事で階級制度の解説もしています。
【参考記事:朝鮮王朝の側室の階級とは。トンイはどの階級だった?】
なので実際は名字しか分かっておらず、「トンイ」という下の名前はフィクションです。
ただし、父親が崔孝元(チェ・ヒョウォン)という名前であることは史実と一緒のようです。
(父親はコムゲの首領ではなかった)
残念ながら淑嬪崔氏が側室になる前の記録はほとんどないという事なので作品中の前半部分、トンイが側室になるまではほとんどがフィクションという事になります。
- トンイの父・兄がコムゲのメンバー
- 第一話の冒頭、瀕死の高官の手の合図を見る
- 手の合図を頼りに宮女(チャン・オクチョン)と知り合う
- 身分制度が厳しいはずなのに偽名で宮中に入る
- コムゲのメンバーだったチョンスも宮中に入る
私の中では結構ツッコミどころのこれらのエピソードは全てフィクションという事になります。
まぁ、こういったフィクションやドラマとしての脚色がないと面白くないですからね。
ちなみに韓国は歴史に敏感なので、ドラマといえどあまりに脚色がひどいと「歴史のねつ造」と批判が出るそうですよ。
部分的には事実だったこともあり、例えば配属されていた掌楽院(チャンアゴン)は実在して、後継機関は今もソウルにあります。
トンイは王との間に3人の子をもうけた
トンイは王との間に3人の子をもうけています。
1人目と3人目は生まれて間もなく死亡しています。
2人目の子供が延礽君(ヨニングン)、後の朝鮮王朝21代国王の英祖(ヨンジョ)です。
この辺はドラマでも描かれていますね。
後に英祖となる延礽君は27歳までを民間人の家で過ごしました。
母が賤民出身の王は朝鮮王朝史上唯一です。
【参考記事:トンイの子供は全部で3人。クムの兄弟たちはどんな子?】
また、淑嬪崔氏の悪評は後にでっち上げられたものも多いです。
と、いうのも英祖は即位後に「卑しい女の産んだ王」と蔑まれます。
英祖の在位中に「あの王の母親は○○だった」などと対抗勢力が悪評をでっちあげたりしたのです。
このようにして淑嬪崔氏は史実よりも悪く描かれている部分が多くあります。
ドラマ「チャン・オクチョン」ではトンイのライバルだったオクチョンが主人公ということもあり、トンイが悪役で描かれています。
どちらをメインにするかで見方が全く変わるものですね。
朝鮮王朝最長在位の王を育てた淑嬪崔氏
英祖は朝鮮王朝最長在位の王です。
82歳の人生、51年7か月の在位。
この長寿の秘訣がつつましい生活でした。
それまでは王の食事は1日5食であったのを、英祖は3食に減らしました。
このつつましさは母である淑嬪崔氏の教えを守り、平民としての生活をした経験からくるものです。
歴史に残る名君を育てた淑嬪崔氏。
その人生を描いたトンイという時代劇。
人気になるのも納得の作品ですね。
トンイは最下位の階級から側室の最高位まで登り詰めたシンデレラガールだった
トンイは賤民の身分から王宮に入ります。
掌学院の奴婢という一番最下位の階級から始まり、最後は「淑嬪(スクピン)」として側室の最高位である「嬪(ピン)」(正一品)まで登りつめます。
その前段階として、掌学院を経て、監察府の女官だったトンイが王の寵愛を受けたことで、特別尚宮と呼ばれる「承恩尚宮(スンウンサングン)」(正五品)まで一気に昇格します。
【参考記事:トンイが任命された承恩尚宮(スンウンサングン)とは】
その後、尚宮や宮女から側室になった場合の始まりの階級である「淑媛(スグオン)」(従四品)となり、クムを出産し王宮に戻ったあとは「淑儀(スギ)」(従二品)に昇格、最後は側室の最高位である「嬪(ピン)」(正一品)に昇格します。
最下位の階級から始まり、最高位の階級まで登りつめたトンイは、まさにシンデレラストーリーのような波瀾万丈な人生だったことがわかりますね。
粛宗からの愛の証である玉指輪(オクカラクジ)を贈られたトンイ
トンイは粛宗から愛の証として翡翠で作られた玉指輪(オクカラクジ)を贈られます。
この玉指輪は2つの対となっている指輪が1組になっている物で既婚者が身につける物です。
粛宗はトンイに求婚し、その気持ちをこの指輪に込めてプレゼントしたのですね。
ですが、当時のトンイはこの求婚を素直に喜ぶことはできません。
自分が賤民の出身であり、剣契(コムゲ)の生き残りとして追われる身であることを粛宗に隠していました。
そんなトンイの辛い過去と抱える悩みを知る由もない粛宗に求婚されてしまい、トンイは悩みます。
指輪を見つめるトンイの眼差しが、複雑な感情を見事に表現していてとても印象的でした。
ドラマ「トンイ」と「イ・サン」両方のドラマに登場した一つの玉指輪
トンイがつけていた玉指輪は時代劇ドラマの「イ・サン」と「トンイ」の両方のドラマで、登場していました。
1つの玉指輪が二つのドラマを繋げているなんて、とても素敵ですね。
2007年から放送開始された「イ・サン」は第22代国王・正祖(チョンジョ)が主役で、正祖の祖父は、トンイと粛宗の息子クムで第21代国王・英祖(ヨンジョ)です。
ちなみにトンイは2010年から放送されたドラマなので、後世にあたる「イ・サン」の方が「トンイ」よりも早くドラマ化されていたことがわかりますね。
「イ・サン」では、英祖が亡くなる直前にイ・サンの幼なじみであるソン・ソンヨンに「イ・サン(後の正祖)の側で彼を助けてくれ」と伝え、母・トンイの形見だと言ってソンヨンにこの玉指輪を渡しています。
このソンヨンは後にイ・サンの最高位の側室になります。
【参考記事:イ・サンは実話がベース。ソンヨンへの愛はほぼ史実】
トンイとソンヨン、二人の女性を繋いだ玉指輪
玉指輪はトンイが亡くなった後、息子である英祖を経て、英祖からソンヨンの手に渡り、生きる時代が違う二人の女性を繋いでいます。
トンイとソンヨンには共通点があります。
二人とも側室として最下位から始まり、王の寵愛を受けて側室の最上位まで登り詰めました。
トンイは賤民の出身から粛宗の寵愛を受け、最後は側室として最高位である「嬪」となり正一品・淑嬪まで昇格しました。
ソンヨンは女官の出身です。
身分の高い側室が集められた中で唯一イ・サンが自ら選び、愛した女官出身の女性として知られ、最後はトンイと同じく「嬪」となり正一品・宜嬪まで昇格しました。
二人の女性の歴史を知るのはこの玉指輪だけでしょう。
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